患者数が多い病院では、業務の状況によって点滴管理が難しくなることがあります。しかしそれは、病院の都合で患者さんにとっては関係のない話です。滴下数の過不足が起きたり、点滴漏れや刺入部が腫れてしまうなどのトラブルが起こらないよう、看護師は気を引き締めましょう。点滴管理で大切なのは「定期的に観察」「確認する」ということなので、こまめに確認する習慣づけをしましょう。

そして、点滴管理では、滴下調整だけでなく、刺入部の観察を怠らないようにしなければなりません。どうしても忘れてしまいそうだという人は、目に入る場所に「刺入部の観察」などとメモしておきましょう。また、他の看護師と注意喚起し合うのも良いでしょう。

何人もの患者さんを同時に抱えている看護師はとても忙しいと思いますので、点滴をしていても、安定した症状の患者さんに対しては、ついつい気持ちが緩んでしまうかもしれません。しかし、「点滴が終わったら、声をかけてくださいね」などと、点滴管理を患者さんに任せるのは看護師としては不適切です。

点滴には、「急速滴下」などによる事故を引き起こしかねないリスクがあるので、点滴管理は患者さんがするものではなく、看護師がするものだと心得ておきましょう。ただし点滴時に患者さんに声をかけることは間違いではないので、「また点滴の様子を見に来ますが、気になることがあったら教えてくださいね」というような声かけは問題ありません。