注射や点滴は、看護業務の中でも高い頻度で行うものですが、他人の体に針を刺すことに責任感を感じてしまい、苦手にしている人は少なくないようです。しかし、注射や点滴は看護師にとって欠かせないスキルであり、患者さんの命を救ったり、病気の回復につながったりしていることを忘れてはなりません。

そこで、ここでは注射や点滴のコツについてお話します。まず、注射や点滴で大切なことは、針を刺しやすい状態を作ることです。患者さんがベッドに寝てる状態で行う場合は、ベッドの柵を外したり、自分が最も安定した姿勢でできるようにしましょう。また、それと同時に「万が一失敗したときは、患者さんに誠心誠意謝ろう」というくらいの気持ちでいることです。緊張しすぎると肩に力が入ってしまうので、できるだけリラックスしましょう。

それから、静脈内注射や点滴では、基本的に針の刺入角度を15~20℃にすることが適切だと言われています。しかし、ここで問題になるのが患者さんの血管がどこにあるかを見極める方法です。駆血帯で腕を縛って静脈を浮き上がらせる方法が一般的ですが、この駆血帯をきつく縛りすぎると動脈まで圧迫してしまい、血管が怒張しなくなってしまうことがあります。ですから、なかなか血管が浮き上がってこないときは、少し緩めて様子を見るようにしてください。そして、腕を心臓の位置より下にしたり、蒸しタオルで静脈を温め血流を促すなどしてみましょう。

さらに、血管を見つけても、ツルツルと移動してしまう時には、少し離れた位置から血管を引っ張ると動きにくくなります。Y字になっている血管分岐点はそもそも動きにくいという特徴があるので、穿刺点を決めるときの参考にしてみてください。